正しく怖がる「農薬」について その2
ヒトは「自然」に身をゆだねているわけではなく、ヒトの病原菌を排除し、食料確保のために多くの生物種を排除してしまうという選択をしてきました。今は、その行き過ぎへの反省から環境保全意識が高まっています。
環境生物に対するリスクの評価には、それら生物種の「生態学的意義」と「ヒトの生存との関係」は切り離せないものです。ですから農薬の「生態リスク評価」をする必要があります。リスク評価は、その技術(ここでは農薬)のリスクと代替技術のリスク、便益をも加味して、総合的に考える必要があります。過去は、農薬についてはヒトの安全性に重きを置かれてきましたが、現在は生態系へ影響も考慮されてきます。持続可能な社会の構築を実現うえで、農薬の環境リスクの評価・管理制度の中に、生態系の保全を視野に入れた取り組みを強化することが重要とされ、2005年4月から施行されています。