レタスをおいしく食べる!

一般社団法人健康栄養支援センター 食育・地域栄養研究部 
管理栄養士
健康食育シニアマイスター

平松聖月
毎日が楽しくなる食事改善の専門家

HNSでは一つの食材を掘り下げて調査し、その食材を使った栄養たっぷりの美味しいレシピを考える「食材塾」という勉強会を開催しています。

今回は「レタス」をご紹介します。
よく見かける野菜ですが、旬はいつ?どんな種類があるか?などあまりイメージがないかもしれません。レタスはサラダによく使われる食材で、『他の活用方法があまり思いつかない』という方もおられるのではないでしょうか。この記事を通してレタスのことやアレンジ法を知り、よりレタスを楽しんでいただければと思います。

レタスについて

レタスはキク科の野菜で、地中海から西アジアが原産と言われています。日本では「ちしゃ」とも呼ばれ、奈良時代に中国から伝わりました。この頃は「掻きちしゃ」という葉を掻き取ったものでした。現在のような結球レタスが食べられるようになったのは江戸時代末期で戦後に栽培が始まったとされています。
ちなみに、レタスを切った時に茎から白い液が出るのを見たことはありませんか?これは「植物乳液」と言い、虫を付きにくくさせる特徴があります。実はこれがレタスと呼ばれる理由です。レタスの英名「lettuce」はラテン語の「Lactuca」が語源でLacは乳を意味し、植物乳液が由来といわれています。また、「ちしゃ」という言葉は「乳草」が語源であり、レタスと同様に植物乳液が由来といわれています。

レタスの旬

春レタスは4~5月、夏秋レタスは6~10月、冬レタスは11~3月に出荷されます。
春レタスは茨城県、夏秋レタスは長野県、冬レタスは長崎県が主流です。
北海道や兵庫県など全国様々な地域で栽培され、一年中流通している野菜です。

レタスの種類

●結球レタス
日本で一番流通している品種です。みずみずしくパリパリ食感の一般的なレタスを「クリスプヘッド型」、葉が柔らかいサラダ菜のようなレタスを「バターヘッド型」と呼びます。

●葉レタス(リーフレタス)
非結球のレタスで、野生種に最も近い非結球レタスで、葉先が赤褐色のサニーレタス、全体的に緑色のグリーンリーフ、フリル状のフリルレタスなどが流通しています。

●立ちレタス
長楕円形のレタスでコスレタスと呼ばれています。シーザーサラダの食材として有名です。

●茎レタス
茎が長く伸びている非結球のレタスで、ステムレタスと呼ばれています。長く伸びた茎を食用として炒め物などに利用されます。 茎から生えてくる葉を掻きとって利用する場合もあり、 サンチュが代表的です。

レタスの栄養成分

レタスは水分を多く含む野菜で、 抗酸化作用の働きがあるβ-カロテンやビタミンCを含みます。皮膚や粘膜の健康に役立つ成分です。食物繊維やカリウムも含み、余分な塩分を体の外に出すなど体の中を調整してくれる成分も含みます。
種類による違いもあり、結球レタスより葉レタスの一種であるサニーレタスのほうが、鉄分は約6倍、β-カロテンは約8倍多く含みます。

レタスの保存方法

はずした外葉で包み、ビニール袋やラップで巻くことで、冷蔵庫で3~4日ほど保存できます。 乾燥に弱い野菜なので、濡らしたペーパータオルを芯に当てて保存するとさらに長持ちします。芯をくりぬいて、濡らしたペーパータオルを詰めるのもオススメです。

おいしいレタスの選び方

結球レタスは芯が10円玉大で白く、葉がみずみずしくハリとつやがあるものが新鮮です。 葉の巻が緩く、持った時に軽いものを選ぶのがオススメです。 サニーレタスなどの非結球のレタスは、葉先の色が濃いものを選びましょう。古くなると苦味が出るため、できるだけ新鮮なレタスを選べるといいですね。

レタスのレシピ

最後に、食材塾おすすめのアイデアレタス レシピをご紹介します

①蒸しレタスの柚子胡椒和え

材料 分量(2人前)
レタス 4枚
A 柚子胡椒  小さじ1/3
A 醤油  小さじ1/2
A ごま油  ひとたらし
白ごま  適量

作り方
1 レタスを一口大にちぎる。Aの調味料を合わせる。
2 レタスを耐熱皿に入れ、ラップをかけ、500Wで2分加熱して蒸す。(少し、しなっとする程度まで)
3 蒸したレタスをザルにあけ、水気を切った後、熱いうちにAの調味料と和え、白ごまをふる。

②卵とレタスの中華炒め

材料 分量(2人前)
レタス 4枚
ちくわ  2本
卵  1個
砂糖  小さじ1
サラダ油  小さじ1
ごま油  小さじ1
A 鶏がらスープの素  小さじ1/2
A 酒  小さじ2
A 塩こしょう  適量

作り方
1 レタスは一口大にちぎり、ちくわは斜めに薄切りにする。
2 卵を溶き、砂糖を混ぜ合わせる。
3 温めたフライパンにサラダ油を熱し、中火にして 2 を加え、炒り卵を作り、一度取り出す。
4 3 のフライパンに、ごま油を温め、レタスとちくわを加え、強火で炒める。
5 レタスがしんなりしたら、Aの調味料を入れ、味を調え、卵を戻し入れて和える。

③肉みそレタスチャーハン

材料 分量(2人前)
レタス 4枚
ご飯  お茶碗2杯分
ごま油 小さじ4
生姜(みじん切り) 大さじ2
豆板醤  小さじ2/3
豚ひき肉  100g
A 味噌  大さじ1
A 醤油 大さじ1
A 砂糖  小さじ1
鶏がらスープの素 小さじ2/3
塩こしょう 適量

作り方
1 レタスを食べやすい大きさにちぎる。Aの調味料を合わせておく。
2 熱したフライパンに、ごま油、生姜、豆板醤を入れて炒め、香りが出てきたら豚ひき肉を加える。豚ひき肉の色が変わったらAを入れて味付けする。
3 ご飯を加えて手早く混ぜ、鶏がらスープの素、塩こしょうで味を調える。
4 火を止めてレタスを加えてさっと混ぜ合わせて器に盛る。

④レタスとカニカマのかきたまスープ

材料 分量(2人前)
レタス  4枚
卵  1個
カニカマ  4本
水  500ml
鶏がらスープの素  大さじ1/2

作り方
1 レタスを食べやすい大きさにちぎる。卵を溶いておく。
2 鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら鶏がらスープの素とレタスを入れる。
3 卵を回しかけ、最後にカニカマを入れる。

レタスは加熱調理するとカサが減るため、一品でたくさんの量を食べることができます。また、 レタスに含まれるβ-カロテンという成分は、油と一緒に摂ると吸収率が高まるため油を使って調理したり、肉や魚と合わせるのもオススメです。

以上、HNS栄養士おすすめの美味しいアイデアレシピのご紹介でした。
美味しいレタスをサラダ以外にもぜひ活用してみてください♪

<参考>
・農林水産省 北陸農政局 https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/engei/tokusan201904.html
・独立行政法人農畜産業振興機構 https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/1105_yasai1.html
・栄養計算「APPRON Ver.7.0 for Windows」を使用。令和 2 年 12 月に発表された「日本食品標準成分表 2020 年版(八訂)」を利用した栄養価計算を行うプログラム。

<関連ページ>
・世界一栄養素が少ない!?【きゅうり】ホントの話&アイデアレシピ
・【食材シリーズ】キャベツ:素敵な生産リレー!キャベツの種類と栄養
・栄養素シリーズ 第4回 ビタミン
・栄養素シリーズ 第6回 水溶性ビタミン(その2