栄養士から受験生のお母さんへ(1)|難関校受験合格に役立つ方法

東京大学
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著者:尾崎小百合
受験栄養Lab.所属 管理栄養士

受験生を持つお母さんへ

受験生をもつお母さんは、この状況下で心配されていることでしょう。
試験はどうなるの?など不安がいっぱいだと思われますが、どんな状況になっても対応できる学力をつけておくことです。
今できることは何でしょう。
アドバイスできることはたくさんありますが、食習慣に関わることを中心にお話しします。
受験の話をするので、私の子供の学校の話をしておきますと、子供が2人おり、上の子は公立高校トップ校→国公立大、下の子は中高一貫私立トップ校→東大、慶応大医学部にこの春現役合格しました。
ということで中学受験、高校受験、大学受験を経験しました。
受験生といっても小中高生それぞれ対応が違いますが、共通して言えるのは、規則正しい生活(生活リズム、食事、睡眠)をすることです。
Stay homeで生活リズムが乱れてしまっているお子さんもいらっしゃるでしょう。
今、変えていく良いチャンスと捉えて下さい。

1. 朝ごはん   

朝ごはんを食べましょう。
できればご飯がいいですね。
パン派の方も多いかと思いますが、まずはご飯とお味噌汁から始めてみましょう。
ご飯は炭水化物だけでなく、たんぱく質、ミネラル、食物繊維もあり、大豆製品を合わせれば、さらにたんぱく質も補えて最高の組み合わせです。
他にお薦めする理由として、噛む回数が増える、腹持ちがいいなどあります。
お味噌汁を具だくさんにすればおかずになります。
お味噌を使うのが面倒なら、液味噌など手軽に出来るところから始めて下さい。それにヨーグルトや納豆など手軽に足せるものを増やしていって下さい。慣れてきたら、おかずを足していきましょう。最初から頑張らなくても大丈夫!

受験生朝ごはん
我が家のある日の朝食

2. 朝ごはんと試験の日

試験の日も普段と変わりなくいつものメニューの朝食を取りたいところです。
が、試験の日は朝が早かったり、遠方の場合はホテルに宿泊したりといつもとは違い自宅で食事をすることが出来ないこともあります。
そういう時のために、おにぎりを持参するのか、コンビニでは何を買うか、ホテルの朝食は何を選ぶか、考えておくといいです。
模試の日に試してみたり、志望校の見学や下見の際に、近隣のコンビニや朝から営業しているレストランはあるか確認しておきましょう。   

3. 朝型の生活を


夜になると調子がでてくるお子さんもおられますが、夜型のお子さんは今から少しずつでも早めに就寝して朝型になるようにしてみましょう。
試験は9時ごろ開始なので、この時間に頭をすっきりさせておくためには何時に起きるか、そして日々そのようにして普段と変わらない状況で試験の日を迎えるようにしたいものです。
夜型になってしまっているお子さんを変えるのは大変なことです。
朝型のメリットをお母さんも今一度考えてみてくださいね。
通常の生活に戻り、塾に行くようになると夜遅くの帰宅になるでしょう。
小学生は塾弁(私も毎日作りました)、地元の中学に通う中学生は一度家に帰ってから夕食を取って塾に行くでしょう。
ですので、夜食は極力とらないようにして入浴、復習をして寝ましょう。
高校生予備校生は夕飯を食べずに塾や予備校に行くことが多いので、帰ってから食べることになるでしょう。
この場合、本当に軽い夜食にして、朝はおなかが空いた状態で美味しく朝ごはんを食べられるようにしましょう。

4. 体調を崩さない

簡単なことではないですが、規則正しい生活、睡眠をしっかり取り、食事をきちんと摂っていれば、体調を崩しにくい状態にはなります。
いったん病気になり勉強しない日が出来ると、取り返すのがとても大変になります。
小学生であれば取り返すために無理をすると脱落してしまう子もいます。
子供の友人の言葉で胸に突き刺さった言葉があります。
「試験の日に高熱が出て思うように出来なくても、合格するだけの学力をつける」このお子さんは現役で超難関大学に合格されました。
試験の日には元気で受けたいものです。

受験弁当
筆者が子どもたちに作っていたお弁当
受験弁当
筆者が子どもたちに作っていたお弁当
受験弁当
筆者が子どもたちに作っていたお弁当
受験弁当
筆者が子どもたちに作っていたお弁当

5. 免疫力を高める

巷には免疫力を高める食品や方法の情報があふれています。
1つ言えるのは腸の状態を良くしておくことです。何がいいか答えは1つではありませんが、善玉菌を含むもの(発酵食品などプロバイオティクス(※1)と)と善玉菌のエサとなるもの(食物繊維やオリゴ糖など プレバイオティクス(※2)といわれる)の両方を摂る食事を意識してみて下さい。
また最近は体温が低いお子さんも増えているそうです。
平熱が低いと免疫力が低くなるといわれています。
体温をあげるにはどうするのか。体温の約4割が筋肉から産生されているといわれています。
受験生になると運動する機会も減り、運動しなくなり太ってしまうからと食事量を減らすお子さんもいて、ますます筋肉量が落ちていきます。
どの食材が効果的かというより、主食・主菜・副菜が揃うようにすることが大事です。
上記掲載写真のお弁当は筆者がこどもたちに作っていたものですが、バランスを常に考えていました。

※1 プロバイオティクス:「腸内細菌叢のバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物菌体」  乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌などの生菌製剤およびヨーグルト、ぬか漬け、味噌、チーズなど発酵食品など
※2 プレバイオティクス「大腸に常在する有用菌を増殖させるか、あるいは有害な細菌の増殖を抑制することで宿主に有益な効果をもたらす難消化性食品成分」オリゴ糖類や抵抗性デンプン、食物繊維類など

最後に・・

いろいろ書きましたが、一番しんどいのは受験生本人です。
お母さんも心休まる時はないでしょうが、心配している態度は見せず、怒ったりすることなく、子供にとって家をホッとする場所にしてほしいです。
難しいですがど~んと構えて何事にも動揺することないように大きく見守って下さい。
自分も親として成長する時です。
出来ることから少しずつ少しずつ。お子さんも口には出さないけれど、感謝していますよ。
お子さんと二人三脚で乗り切って下さい!!

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