カリフラワー ◆ブロッコリーに負けない!カリフラワー活用術

著者 プロフィール
医療・福祉栄養研究部所属 管理栄養士
 日下 千代子

HNSでは一つの食材を掘り下げて調査し、その食材を使った栄養たっぷりの美味しいレシピを考える「食材塾」という勉強会を開催しています。
今回のテーマはカリフラワーです。
スーパーで手には取ってみても、購入にまで至ることの少ない野菜かもしれません。
しかし栄養はたっぷり!!見かけたら是非購入してみて、今回ご紹介のメニューに挑戦してみてください。
レシピは最後に掲載しています。

食材塾の様子

◆カリフラワーについて

カリフラワー(cauliflower)はアブラナ科の一年生植物で、地中海沿岸が原産地とされていますが、野生種のケールから分化したブロッコリーが、突然変異により白化したものともいわれており、詳しいことはわかっていません。
改良されて現在のようなカリフラワーになるのは19世紀初めごろで、日本には明治初期に入ってきたといわれています。
一般的になり栽培が増えたのは戦後で、日本の食文化が米国の影響を受けてからです。
冷涼多湿の気候を好み、耐暑・耐寒性はあまりありませんが、品種改良されて今では夏にでも育つものがあります。
日本産は10月から2月の冬場が多いですが、5月にも出荷されています。
市場には通年出回っており、主に米国からの輸入品です。
食用とするのは、茎の先にある花蕾(からい)と呼ばれる部分です。
日本名は花甘藍(はなかんらん)、花椰菜(はなやさい)、花キャベツなどと言われています。

農林水産省のホームページより

◆カリフラワーの栄養素

ビタミンCは花蕾(つぼみ)に多く含まれています。
ビタミンCの含有量はキャベツの約2倍で、果物と比較しても、イチゴやみかんよりも多いのが特徴です。
糖質制限をしないといけない方のビタミンC摂取の食物として果物と比較して糖質が少ないのも利点といえます。
スープなどにすると、80~100グラムを摂ることは容易です。
ビタミンCはビタミンEと組み合わせると抗酸化作用を高める効果が期待できます。種実類と合わせて調理する胡麻和えなども良いでしょう。

食品名
(100gあたり)
エネルギー(kcal) 水溶性
食物繊維
不溶性
食物繊維
リン レチノール
活性当量
ビタミンK ビタミンB1 ビタミンB2 ビタミンB6 葉酸 ビオチン ビタミンC
カリフラワー
花序 生  
27 0.4 2.5 68 0.6 2 17 0.06 0.11 0.23 94 8.5 81
カリフラワー
花序 ゆで   
26 0.7 2.5 37 0.7 1 31 0.05 0.05 0.13 88 53

日本食品標準成分表2015年版(七訂)

◆選び方

花蕾がかたくしまり、全体的にずっしりとした重みがあるものが新鮮で、色は変色がないものを選びましょう。
花蕾は、収穫後も発達しますので、貯蔵日数が長くなると、色も褐色に変色します。
蒸散作用で花蕾も萎んでくるからです。

◆保存方法

冷温を好むので、冷蔵庫の野菜室で蒸散させないように、ラップで包むかポリ袋に入れて、花蕾を上にして保存します。調理に適した大きさに切り、かために火を通してから冷蔵庫で保存します。風味を逃さないようにゆでるのでなく蒸すのが栄養素を逃がさなくて良いでしょう。電子レンジでの加熱はメーカーの指示通りにします。

◆「イソチオシアネート」の効用

カリフラワーはアブラナ科に含まれる抗酸化成分「イソチオシアネート」が含まれています。
殺菌作用と活性酸素除去作用(抗酸化)作用があるといわれていますが、その作用の機序の仕組みは詳しくわかっていません。

◆味

ほとんどクセが無く、生でも食べることができます。
飯粒状に細かく刻んだ生のカリフラワーを御飯の代替食としてコンビニ、スーパーなどで販売されています。

◆食感

生の場合はぼそぼそ感がある。

◆調理の特徴

火を入れると柔らかで噛まなくても良いほどの柔らかさになります。少し前の料理書には、酢や小麦粉をいれてゆでると白くなることやアクが取れると記載されていますが、最近のカリフラワーは特に白く仕上げたい場合をのぞき、水だけでゆでても特段支障ありません。また、ゆでるより蒸したほうが栄養価は損なわれないといわれています。

◆自分で作るカリフラワーライスの作り方

1.カリフラワーをひと房ごとにばらす。
2.フードプロセッサーにかけ、お米みたいなテクスチャーになったらOK。
3.食べたい分だけ電子レンジで温めて火を通す。(500Wだと5分くらい)
  ※もしくは油をひいたフライパンで火が通るまで炒める。

カリフラワーライス

◆カリフラワーレシピ

食材塾で栄養士たちに大好評だったカリフラワーレシピをご紹介します♬


■カリフラワーとカボチャのカレー

●材料 1人分 4人分
カボチャ 30g 120g
鶏挽肉 40g 160g
クミンシード t1/4 t1
赤唐辛子 1/2本 2本
オリーブオイル t1 t4
小麦粉 t2 T3
カレー粉 t1 T1
ブイヨン 150ml 600ml
おろしニンニク t1/4 t1
おろしショウガ t1/2 t4
トマトジュース 50ml 200ml
2g 8g
こしょう 少々 少々

[下ごしらえ]
❶カボチャは2~3㎝角、カリフラワーは小房に分けておく
➋鶏ひき肉に塩・こしょうをしておく
❸赤唐辛子は種を取っておく

[作 り 方]
①油を入れないでクミンシードを炒め、香りが立ったら赤唐辛子、オリーブオイルを入れ、中の弱火で炒める
③香りが立ったら、唐辛子を取り出す
④そこに、鶏挽肉を中火で炒める
⑤弱火にして、小麦粉を加え粉っぽさがなくなればカレーを加え、香りが出るまで炒める
⑥ブイヨンを少しずつ加えて溶きのばす
⑦⑥にカリフラワー、カボチャ、おろしニンニク、おろしショウガ、トマトジュース、塩を加え煮立てアクを取り、6~7分火を通す
⑧味をみて、塩、こしょうで味を調える

〇黒米入りごはん
 米カップ1に対し、黒米T1くらい 水は好みで黒米1:水2(カレーの場合は加水なし)

カリフラワーのカレー

■カリフラワーのサラダ

①カリフラワーを小房に分けて、皿にもり、好みの塩、好みのオイルでいただく。

 *料理とは言えないが、生の食感が面白い

■カリフラワーのガレット

●材料 1人分 4人分
カリフラワーの軸 50g 200g
豚もも肉 30g 120g
ニンジン 40g 160g
小麦粉 T1 T4
T1 T4
オリーブオイル T1 T4
ピザ用チーズ 20g 80g
0.5g 2g
こしょう 少々 少々

[下ごしらえ]
❶豚肉は1㎝幅に切り、塩・こしょうをしておく
➋カリフラワーの軸とニンジンは3㎝の千切りにしておく
[作 り 方]
①❶と➋をボウルに入れ、小麦粉、水、チーズを入れて粉っぽさがなくなるまで混ぜる
②フライパンにオリーブオイルを入れ、丸形にして両面を押し付けて薄く焼く
 *人数分を一つずつ焼いても良いし全量焼いて切り分けるのも良い
 **ガレット(galette):フランスの北西部の郷土料理。丸くて薄いと言う意味。

カリフラワーのガレット

■カリフラワーの牛そぼろあんかけ

●材料  1人分 7人分
カリフラワー 80g 560g
干しシイタケ 中1枚 中7枚
干しエビ 5g 35g
牛挽肉 50g 350g
A  紹興酒 t1 T2
A  醤油 t1 T2
A  こしょう・塩 少々 少々
ニンニク t1 T2
【合わせ調味料】    
B  シイタケ+エビ戻し汁 50ml   350ml
B  オイスターソース t1 T2
B  醤油 t1   T2
B  紹興酒 t1 T2
片栗粉 t1強 T21/2

[下ごしらえ]
❶干し椎茸は水で戻し、1㎝角に切る(出来たら、冷蔵庫で一晩もどす)
➋干しエビは水で戻し、細かく切る
❸鶏ひき肉をAで下味をつけておく
❹片栗粉を同量の水で溶いておく

[作 り 方]
①カリフラワーをフライパンで、ひたひたの水とごま油T1,塩t1で蒸し煮し、水を切る
②テフロン加工のフライパンに、鶏ひき肉を入れ、火が通ったら、にんにくを入れ香りが多立つまで炒める
③合わせ調味料Bと❹の片栗粉を混ぜ、中火で好みのかたさまで煮る
④器にカリフラワーを盛りつけ、③のあんをかける

■カリフラワーと白ごま油のケーキ

[材料] 20㎝φのケーキ型 もしくはカップケーキ型 8個分  
カリフラワー(花蕾の部分) 150g
大2個
グラニュー糖 150g
白ごま油 3/4カップ
レモン汁 1/2個分
すりごま 50g
薄力粉 150g
ベーキングパウダー t1/2
重曹 t1
コリアンダー t1

[下ごしらえ]
❶カリフラワーは花の部分をミキサーもしくはフードプロセッサーで細かくし、レモン汁を加えておく
➋粉類Aはふるっておく
❸オーブンを160℃に温めておく

[作 り 方]
①卵を溶いてグラニュー糖を3回に分けてしっかり混ぜる
②白ごま油を少しずつ加えながら混ぜる
③すりごまを加え❶を加える
④粉類を入れ、さっくりと粉っぽさがなくなる程度に混ぜる
⑤オーブンで丸型の場合は40分 カップケーキの場合は25分程度焼く
  *竹串をさして何もついてこなければ焼き上がっている
⑥ケーキ型を使った場合は熱いうちに型から出し冷ます

以上、カリフラワーのレシピ紹介でした!カリフラワーと白ごま油のケーキはしっとりリッチな味わいでとても美味しかったですよ♬
カリフラワーライスは冷凍も売っていますが、手作りするととても美味しく、ご飯替わりに食べても満足感は高かったです。
是非試しに1房手に入れて、カリフラワーのお料理を楽しんでみてください♡

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